この時期、道端に彼岸花が咲いているのを目にします。秋のお彼岸のころに咲くので「彼岸花(ひがんばな)」とは言い得て妙ですが、別名を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」こちらも仏教の香りがする名前です。墓地などに葉がないのに妖艶な花をさかせるので、「死人花(しびとばな)」「幽霊花」とも。また、「家に持ち帰ると火事になる」などという言い伝えもあり、あまり縁起のよい花ではないようですが、見た目は不快な花ではなく、4,5輪道端に咲いているのは、季節感があってよいものです。
彼岸花の名所というのも各地にあるようですが、この花、少しなら綺麗なのですが、大量に咲いていると少し気味が悪いのです。その中に入ってしまうと、出てこれなくなってしまうと思わせるような、静かなすごみというのか、そんなものが感じられます。
多くの花はたくさんあれば華やかになるのに、この花は一輪なら華やかなのに、たくさんあるとむしろ寂しくなる不思議な花です。そういえば彼岸花には毒草だったような気がします。毒をもつとそのかもしだす雰囲気がかわるのは人も同じかもしれません。
むらがりていよいよ寂しひがんばな 日野草城



今週の展示は「Be」。油絵と写真の3人展です。グループ展ながら、個展が3つあるような素敵な展示です。是非お越しください。9月29日迄。