管理人の独り言

管理人の独り言 le monologue

少年展第五回 「サーカスの入口」と「サーカスの少年」

Category: ギャラリー
ギャラリー協賛企画の「少年展 第五回」が7日から始まって、はやいもので残すところあと3日となってしまいました。

第一回の少年展は2008年、8年かかって五回目を迎えたわけですが、今回で少年展は一区切り、当分開催の予定はありません。
半分以上の作家さんが5回連続、そしてほとんどの作家さんが複数回少年展に参加してくれています。私はずっとその変遷をみていますが、第一回のはじけた雰囲気から比べると、今回はずいぶん落ち着いた感じになっています。

第一回のテーマが「ノスタルジックサーカス」、そのとき参加の鳥居椿さんが「サーカスの入口」という双子の絵を描いていました。そして、今回テーマが「Twins」ということで同じ双子を「サーカスの少年」というタイトル描いています。そしてそのキャプションに添えられた言葉が「あの日のまま、ちっとも年をとっていないのね」。(この2つの絵は、Twitterで鳥居椿さんがポストカードの紹介としてツイートしています。)
そう今回の「サーカスの少年」は第一回の「サーカスの入口」の双子と同じで年はとっていない。だけど、よく見ると少しだけ大人びているのです。「少しだけ大人びる」これが少年展の変遷なのではないかという気がします。参加作家さんも年を重ね、スキルを重ねて、作品も少しずつ洗練され大人びてくる。鳥居椿さんの双子はそれを象徴しているように思います。そしてこれこそが8年間、数を重ねてきた少年展の意味のような気がしてなりません。

長い長いお休みに入る「少年展」、あと3日で終わりを迎えます。ずっと見に来てくださっている方も、初めての方も、どうぞいろいろな「双子たち」に会いに来てください。10月16日(日)まで。

少年展少年展

(2016年10月13日)

王様の目で

Category: ギャラリー
ただいま、ギャラリーの企画展「小川章子作陶展・小さな旧市街Ⅲ」が開催中です。

昨日の夕方、閉廊まであと30分程の人が途絶えたころ、ひとりの青年が入ってきました。「2、3日前から前を通るたびに、すごく気になっていて、みてもいいですか?」と。
そして、じっくりとみていった彼の感想が素敵でした。

ギャラリーの奥から入口に向かって見下ろすと、王様になって街を見守っているような気がする。つまり、
小さな旧市街
こういう目線ですね。

そして、ギャラリー入口付近から奥をみると、攻めていこうとする兵士のような気分になると。
小さな旧市街
これはこういう目線。

こういう感想は初めてでした。「小さな旧市街に入りこんで、いろいろ想像を巡らせてほしい」というのが、作家の小川章子さんとギャラリストの私の意図であり、願いでした。彼は実に見事にそれをやってみせてくれました。

ひとつひとつの建物に目を配り、どの建物を家にお迎えしようかと思いを巡らすのも、それはそれでとても嬉しいのですが、彼のように全体をみて感じて、想像してくれるのはもっと嬉しい。子供に関わるお仕事をしているそうで、こういう青年にかかわる子供たちはきっと幸せだろうなぁと思いました。
「エッシャーの階段のようだ」と言って、帰り間際に記念に買ってくださったのが、小さな小さな階段のオブジェ。うーんこれも素敵です。

この展示やってよかった、ギャラリーをやってよかった。それくらい嬉しかったです。

「小川章子作陶展・小さな旧市街Ⅲ」は、5日(日)までです。お時間ありましたら、是非お越しください。
(2016年06月01日)

浮世絵の虫干し

Category: ギャラリー
Bunkamuraザ・ミュージアムでやっている「俺たちの国芳・わたしの国貞」を見に行って感激した私は、この勢いでうちにある浮世絵の虫干しをしよう!と心に決めました。

この虫干し、数が多いので意外と大変です。「これは写真にとっておこう」などと思い始めると、すごく大変、腰まで痛くなってきます。以前はその価値がよくわからず、いい加減にやっていたのですが、「月岡芳年展」「豊岡國周展」とやってみて、そこそこ価値のあるものだとわかってしまったので、そうそういい加減にやるわけにもいきません。

私のもっているのは、ほとんど明治の浮世絵なので、ないと思ってはいたのですが、展覧会の勢いで「国芳、国貞、うちにもあるかもしれないじゃん、チェック、チェック」と思いながら、1年に1回の虫干しやりましたよ。それで結果はというとー。でてきました、国貞の相撲絵が!それがこれです。じゃ~ん。
国貞 相撲絵

改印から、おそらく、元治元年(1864年)3月作、不知火・雲竜ともその時代に活躍しているので、間違いないでしょう。同じ画像をネットから探してみたのですが、見つかりませんでした。落款もあるし、絵の描き方でも、「国貞」だと思われます。
不知火・雲竜といえば、現在の横綱の土俵入りの型でもあるし、調べてみるといろいろ面白そう。華やかだし、いい浮世絵です。ちゃんと調べて、いつかギャラリーで展示公開できればいいなぁと思います。

追記:
あとでよくよく調べたところ、上記の浮世絵は初代国貞ではなく、二代国貞の作かもしれません。初代は元治元年12月没なので、初代だと最晩年の作ということになります。だとすると二代と考えたほうがよいかもです。浮世絵の判定は難しいですね。
(2016年05月20日)

「Railway Graphic D.E.F. 第4回写真展 鉄道風土記 -水物語-」

Category: ギャラリー
今、ギャラリーでは「Railway Graphic D.E.F. 第4回写真展 鉄道風土記 -水物語-」が開催中です。
タイトルの示すとおり、鉄道写真の展示ですが、これがただの鉄道写真展ではありません。もちろん、どの写真にもどこかに鉄道が写っているのですが、水がテーマなだけに、水滴の中に写っていたり、グラスの水の中にあったりと、鉄道写真が好きというわけではなくても、十分に楽しめる写真展です。オーソドックスな鉄道写真もありますが、それぞれの「水」の解釈が面白く、これはどうして水?と考えながら観るのも楽しいです。

D.E.F.のメンバーは今回は12名、本職のカメラマンの方も多く、そうでなくても、カメラにかけては玄人はだしの方ばかりです。そういう方の展示だと素敵な写真なのは間違いないけれど、どこかよそいきな感じがすることが多いものですが、この展示はなんか違う。うきうきするような楽しさがあります。それは、仕事を離れて、本当に好きなものを時間をかけて撮っているせいなのか、「命の水を用いた反省会」と称する、写真のあとの集まり(飲み会(笑))のせいなのか・・・
ジュイエでの展示は2回目なのですが、もう4回も5回も展示してくださったみたいになじんでいて、私もすごく楽しませていただいています。

「スポイトで水を垂らして、一瞬を狙う」とか、「スプレーで水を吹き付けて」とか、写真を撮るときの工夫と苦労を聞くのも興味深いです。必ずメンバーの方が在廊しているので、いろいろ聞いてみるのも面白いかもしれません。

DEF写真展DEF写真展
というわけで、上記写真展は23日まで。是非お越しください。

(2016年02月20日)

カネオヤサチコ個展「隙間的青年百貨」

Category: ギャラリー
現在、ギャラリー企画展の「カネオヤサチコ個展 隙間的青年百貨」を開催しています。連日、じっくりと時間をかけてみてくださるお客様が多く、2回、3回と再廊してくださる方もいらっしゃいます。外国人のお客様も多く、アメリカからの留学生は「大ファンです。アメリカでは有名です」と言ってくださり、グローバルなカネオヤサチコ人気に、いまさらながら驚いています。

カネオヤさんは、当ギャラリーの人気企画展「少年展」に、ずっと参加していただいており、第二回(2009年)の「探偵倶楽部」がテーマの作品をみたときから、「ギャラリー企画で個展を」とひそかに考えていました。その後、カネオヤさんの個展やグループ展をみて歩き、やはりやりたいと思いましたが、自分が大病をしたこともあり、声をかけられずにいました。
そして、昨年開催の第四回少年展「ヴァンパイア」。そのときのカネオヤさんの作品をみたときに、絶対にやりたいと心を決め、勇気を出して(作家さんに声をかけるのは意外と勇気がいるのです。)お願いして、快諾いただき、今回の展示が実現しました。

39点の展示は、今までで一番多いそうで、その上、イメージクラブ「部屋と縞パンとおにいさん」の再現もあり、カネオヤさんらしく、かつ充実した内容の個展になりました。カネオヤさん、こんなに素敵な空間を作ってくれてありがとう!

いつの展示もそうですが、多分一番楽しんでいるのが私、今年は「山本二三展」、浮世絵版画「豊原國周展」、そして、「カネオヤサチコ個展」と、3つギャラリー企画展をやりましたが、どれもすごく楽しいです。ジャンルが違いすぎると言われますが、みんな好きなんだからしかたがない。守備範囲が広いってことにしておいてください。


カネオヤサチコ個展カネオヤサチコ個展
カネオヤサチコ個展「隙間的青年百貨」の様子です。赤いカーテンの向こうがイメージクラブ、中に入って、よいこ横丁に迷い込んでください。12月6日(日)まで。
(2015年12月03日)

豊原國周展 -役者絵の世界-

Category: ギャラリー
先週の金曜日から、ギャルリー・ジュイエコレクション浮世絵版画展「豊原國周展 -役者絵の世界-」がはじまっています。
國周(くにちか)は、役者絵が多く、歌舞伎好きの私が大好きな絵師です。状態がよく数があり、シリーズ物も揃いがあるので、厳選できてよい構成の展示になったと思っています。ただ、歌舞伎好き、浮世絵好きの私にはいいけれど、そうでない人にはどうなのだろうという不安もありました。
ところが、ご来廊いただいた方々は、その美しさと浮世絵独特の技法に感心されていて、ほっといたしました。

話はそれますが、先ごろ、中村橋之助さんが来年八代目芝翫襲名するというおめでたいニュースがありました。これをきいたときは、ちょっとした違和感がありました。先代芝翫は、踊りの名手で名女形、「道成寺」や「藤娘」が記憶に残っています。橋之助さんは、立役(男役)、なんとなく次の芝翫は女形が襲名するものと思っていました。

そこで、いまやっている展示を思い出しました。浮世絵にいる四代目芝翫は、ばりばりの立役、西郷隆盛の役などもあり、女形なんてありません。そっかー、特に女形の家柄というわけじゃないんだと納得、答えはすぐそばにありました。浮世絵の資料的価値ってこんなところにもあるんだなぁと感心してしまいました。

浮世絵の楽しみかたはさまざまです。本展示にも「雲母摺り(きらずり)」「布目摺り」「正面摺り」「毛割り(けわり)」など浮世絵独特の技法がみられます。数は少ないですが、間近で見ることができますので、お声をかけてくだされば、できる範囲で説明させていただきます。(声をかけられなくても、説明しちゃってますが)
10月4日(日)まで、あと4日間の展示です。お時間ありましたら、気軽に浮世絵の世界に触れにいらしてください。もちろん入場無料です。


豊原國周展豊原國周展


(2015年09月30日)

山本二三展

Category: ギャラリー
現在、ジュイエでは「山本二三展 ~新作原画を中心に~」開催中です。

この個展は、2年前に山本二三先生に無理にお願いして、実現したものです。
展示の内容は先生におまかせしてありましたが、こんなに充実した内容になるとは思っていませんでした。「世界中と不思議のダンジョン」(ゲーム 公式サイトブログでも紹介していただいています)と「海の京都」、DMにもある「マリア像と長崎の夜」は、初公開、5月11日に発売された絵本「希望の木」の原画、「もののけ姫」「天空の城ラピュタ」「時をかける少女」の複製画など、原画33点、複製画14点の全部で47点という、高円寺の小さなギャラリーで開催するには信じられないような内容です。展示内容を聞いて、DMとチラシのゲラをみたときの私の興奮のしかたといったら、尋常ではなかったです。

山本二三先生はアニメ界では知らない人はいないというくらいの方で、現在、ジブリ関連で「山本二三展」が全国巡回中です。(今は新潟)
だからといってえらそうなところは微塵もなく、その作品ばかりか、人柄もとても魅力的な方です。今回の展示においても、誰でも気さくに話され、ファンの方がきらきらした目で話されるのを見るにつけても、幸せな気持ちになり、あーこの展示ができてよかったなぁとつくづく思います。

そして、会期中に私の誕生日をむかえ、4年前に患った病気が再発しないようにと、「マリア像と長崎の夜」の複製画をプレゼントしてくださいました。もう大感激で、感謝の言葉が見つかりません。

「山本二三展」は31日まで開催します。しかも、二三先生の許可をいただいて、照明を明るくして、みやすくしています。東京での個展はあまりないので、お時間あればどうぞ、この素敵な展示にいらしてください。明日(28日)は二三先生も在廊予定です。


山本二三展山本二三展
上記「山本二三展」です。著作権の関係で引きの写真しか載せられませんが、雰囲気だけでも伝わればと思います。

(2015年05月28日)

第四回少年展

Category: ギャラリー
先週の金曜日から「第四回少年展」がはじまっています。今回のテーマは「ヴァンパイア」、妖しい少年世界がギャラリーに漂います。展示は大盛況で、展示半ばにして400名近いお客様にご来廊頂き、すでに前回を上回る勢いです。ありがとうございます。

今回の少年展に、私には特別な思い入れがあります。私事ですが、3年前の「第三回少年展」の直前で、悪性リンパ腫のために入院というアクシデントにみまわれ、外出許可をもらって搬入、たった2日間の在廊という状態でした。事前準備はできるだけのことをしたつもりですが、やはり足りないことは多く、neychiさん、sayochiさん、家族をはじめとして、たくさんの方の協力でなんとか無事に第三回を終わらせることができました。
その後、半年間の治療を余儀なくされ、当時は次回少年展が開催することなど考えられない状況でした。

ですので、第四回が開催できたこと、そして前回をはるかに上回る大盛況なことに、信じられない思いでいます。これも参加作家様とご来廊してくださった皆様のおかげで、大変感謝しています。

ただ、この大盛況は私とギャラリーのキャパシティを越えたものでもあり、3年ぶりということで、準備に不備もあり、十分な対応ができているかは、はなはだ疑問です。失礼がありましたら、どうぞお許しください。

さあ、明日から少年展、後半戦です。物販の追加もございます。素敵な作品たちのおりなす、少年ヴァンパイアの世界、どうぞお楽しみください。



第四回少年展第四回少年展
上記、「第四回少年展」開催中です。26日18:00まで。






(2014年10月22日)

夏の絵

Category: ギャラリー
梅雨明けをしてから、毎日暑い!今日は東京も猛暑日。エルニーニョ現象で今年は冷夏になるなんて誰がいったんじゃぁ~と文句もいいたくなる今日この頃です。

ジュイエのトップ画も夏らしい絵に変えました。この絵は去年の10月にジュイエで展示してくれた、武蔵野美術大学日本画学科の今川真理子さんの「day dream2」という作品です。「氷」の暖簾と紙風船が夏を感じさせます。ぱっと赤が目にはいる絵ですが、夏のぎらぎらした暑さよりも、むしろ、夏の終わりに少し涼風がたっている頃を思い起こします。暑さが少しおさまってほっとすると同時に、行ってしまう夏にさみしさを感じる、そんな感じのする絵です。明らかに夏の絵なのに、誰もいないところに紙風船がとんでいるせいか、なつかしさともの哀しさを感じる絵でもあります。

展示が秋でしたから、夏に使いたいので1年間あたためておいた絵です。9月末までトップ画におく予定なので、夏の終わりにこの絵をみると、もっといろいろ感じるところがあるのではないかと期待しています。

さぁ、夏に負けないよう、無理せず頑張ろうっと。


INSIDE 展INSIDE 展
今週の展示は「INSIDE 展」。多摩美術大学・武蔵野美術大学の美大生の6人展です。それぞれ個性的で見ごたえのある展示です。特にギャラリー奥の細いスペースをうまくつかった作品は圧巻です。是非ご覧ください。8月5日まで。
(2014年08月02日)

小川章子作陶展●小さな旧市街Ⅱ

Category: ギャラリー
今、ギャラリーでは、ギャラリー企画の「小川章子作陶展●小さな旧市街Ⅱ」を開催しています。

「Ⅱ」というからは、「Ⅰ」がもちろんあったわけで、「Ⅰ」はちょうど2年前に当ギャラリーで開催されています。ギャルリー・ジュイエは、基本は貸しギャラリーですので、小川章子さんも貸しギャラリーとして借りてくれたわけです。そのときにひとめぼれして、会期中に「次はいっしょにやらせてください」とお願いしました。

小川さんは陶芸を職業としているわけではなく、趣味でやってらっしゃいます。しかし、趣味というにはクオリティが高すぎて、その作品の技術やデザインには驚かされます。おまけに、暖かく、他に媚びない作品のオリジナリティは、作家の人柄を感じさせます。
街並みをつくるわけですから、その作品は主たるもので約100個、ミニハウスなどを含めれば約300個、これだけの作品をそろえて、2年後の開催というのは素晴らしいの一言につきます。「玄人はだし」という言葉は、小川さんのためにあるのだなぁと思います。

ギャラリーにひろがる陶の街「小さな旧市街」は、本当に素敵です。それに加え、私の企画で、お菓子作家のル・キャロッス・ドールの尾野田香織さんにお願いして、「ハウスクーヘン」という家型バウムクーヘンを陶の街並みに参加させました。
大好きな作品の企画展ができる私は本当に幸せ者です。また、2~3年後にいっしょにやれたらと思っています。

おっと、まだ会期が終わったわけではありません。ギャラリーの休みを挟んで、明日から後半がはじまります。あと4日で消えてしまう陶の街に是非お越しください。6月1日までです。


小川章子作陶展小川章子作陶展
(2014年05月29日)
©2003-2013 Galerie Juillet.