管理人の独り言 le monologue
キャンディード
帝国劇場にミュージカル「キャンディード」を見に行きました。
歌舞伎座さよなら公演のせいで、最近は歌舞伎ばかりだったので、ひさびさの歌舞伎以外の演劇、そしてキャンディード役の芸大出身の井上芳雄くんを生でみたいというミーハーさもあり、楽しみにしていました。
ネタばれになってしまうので、あまり詳しくは書けませんが、ストーリーも単純明快、小道具をうまく使っていて、出演者の歌もうまいし、後半ちょっと冗長な感じがありましたが、楽しめました。特に最初から最後まででずっぱりの狂言回し役の市村正親さんが素晴らしく、ベテランがしっかりしていると舞台がよくなるのだなぁとつくづく思う舞台でした。
この日は1階の正面、後ろの方の席でしたが、座席が千鳥配列(たがいちがい)になっていて、前の人がまったく気にならず、後ろの方とは言え、快適な席でした。古い劇場は重みがあるけれど、とかくまわりに来る人の運・不運で見づらくなってしまいがちですが、こういう風に改装してくれると嬉しいです。
歌舞伎もいいけれど、他の演劇もいいなぁ~。というわけで、来週は野田地図「ザ・キャラクター」に行きます。(前からチケットとってたくせに・・・)



今週の展示は、大学生3人の写真展「ろうそくがとけるじかん」。やさしさを感じるモノクロの写真の展示です。真ん中の写真は私のお気に入り。モノクロなのに色を感じます。3日間だけの展示です。6月20日迄。
THIS IS IT
話題の映画、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を観てきました。ひとことでいえば「本当にいい映画」です。私はマイケル・ジャクソンのファンというわけではないけれど、ジャンルを問わず超一流のものは、誰がみても素晴らしいのだと思い知らされる映画でした。
幻となったロンドン公演のリハーサルシーンと、そこに使うはずだった映像を組み合わせあるので、こうであったはずのロンドン公演を垣間見ることができます。人も時間も、そしてお金も惜しげもなくつかわれているゴージャスなエンターティメント。冒頭のバックダンサーのオーディションでは、「いくら歌がうまくとも、ダンスがうまくとも、華がないとだめ」と。その華のあるダンサーの前にたつ、大輪の華のマイケル。ダンスも歌も演出も素晴らしいし、極上の贅沢を目の前にしているようでした。
そして全編をつらぬく愛というメッセージ、「私たちの地球は今悲鳴をあげている。だけどまだ間に合うよ。ひとりひとりの力で自然を取り戻そう。それを始めるのは今しかない」というメッセージ、いやもう感動ものでした。
この映像はマイケル個人のものになるはずだったというテロップが流れていたので、もし、無事にツアーが終わったとすると、この映像は日の目をみることはなかったのでしょう。もしかするとプロローグとして、一部つかうことはあっても、このような形で人の目にふれることはなかったはずです。そしてマイケルの死によって、ツアー以上に、これらのメッセージがより多くの人に、より強く伝わった・・・。死をもって、最高のメッセージを伝えたというアイロニーは、「King」と呼ばれた人にふさわしいのかもしれません。
絶対に劇場でみたい映画です。できればもう一度みたいなぁ~



今週の展示は「けやきの会」。絵画教室のみなさんの油絵とスケッチの展示です。力作を是非ごらんください。11月10日迄。
蛮幽鬼
この前の休みの日に、新橋演舞場に「蛮幽鬼(ばんゆうき)」という演劇を見に行きました。最近「う~ん?」という演劇が多かったせいもあり、これは大当たりでした。
物語は島国である鳳来国(ほうらいこく)の留学生4人が果拿(かだ)の国にきて5年、もうすぐ祖国に帰る日がやってこようかという日に、留学生の1人が何者かに殺されてしまうところからはじまります。その罪を仲間から主役である伊達土門(だてどもん)にきせられ、その罪で10年間幽閉されてしまう、やっとの思いで脱獄して、祖国へ帰り復讐を誓う・・・という内容。ネタばれになるので詳しくは書けませんが、このストーリーがわくわくして面白い。
主演が上川隆也、稲森いずみ、堺雅人が実力派、それに早乙女太一が花を添え、脇役も劇団新感線の団員でかためているのでとても見ごたえがあります。映像も駆使した派手な演出で(いのうえひでのり)、3時間飽きさせることがありません。脚本・演出・役者がそろうと、こんなに面白いのねと大満足致しました。
それにしても、早乙女太一君かっこよかったです。姿もいいけど、立ち回りがすばらしい。演技は他の役者さんにまだまだ追いつきませんが、立ち回りは彼が一番でした。
こういうの見ちゃうと、また次々行きたくなってしまうのよねぇ。



今週の展示は「風とアドレス」。テキスタイルの展示です。天井からさげられた作品は圧巻。小品もおしゃれで、ひとつ自分の部屋におきたくなります。是非ご覧下さい。10月13日迄。
ひさびさに立見でも見たいと思った・・・
6月は何かと忙しいので、観劇はどうしても見たいもの1つに絞りました。ところがこれがいまいち、ちょっとはずれだったなぁというお芝居でした。こうなると、他にも観たくなります。
もうひとつ観たかったのが、歌舞伎座の近松門左衛門「女殺油地獄」。片岡仁左衛門の当たり役、しかも「一世一代」なので、多分これが最後。
歌舞伎は、たいてい3つか4つの演目が組み合わさっているのですが、歌舞伎座には「一幕見」というものがあって、一幕だけ見ることができるシステムがあります。座席数は少ないし、今回は時間もないので、立見は必須。歌舞伎座は来年は建替えのため、取り壊されるし、最後の「一幕見」も一興・・・なんてことを思いつつ、行ってしまいましたねぇ。やっぱり。
お芝居自体はとてもよかったです。仁左衛門、かっこいいし、色気・凄みあり、上方のやさ男を演じさせたら、今、この人の右に出る人はいないのではないでしょうか?
ですが、近松はやっぱり人形浄瑠璃のほうがいいなぁという気持ちは消せませんでした。
満足のうちに終わったひさびさの立見でしたが、終わってから気づいた、足のむくみと軽い腰痛。帰りの電車では爆睡。若いときはこんなことなかったのに・・・



今週の展示は「はらだすすむ作陶展-はてなの茶碗」。はてなの茶碗とは?ちょっと不思議でおもしろい陶芸を是非お楽しみください。ちなみに真ん中の「折鶴」も陶芸です。6月23日迄。
海の中の大きな時間の流れ
「海の中の大きな時間の流れ」。海が好きな人にとっては、なんとも魅力的な言葉ではないでしょうか?これは、四谷三丁目の「Roonee」で開催中の池本さやかさんの写真展のタイトルです。
海の中の写真といえば、どこまでも青い海と、いろいろな色の魚たちやサンゴをまず思いうかべますが、この写真展の作品はすべてモノクロ。
モノクロの海中の写真は、以前池本さんのホームページで見て、不思議な魅力があり、実物の写真をみてみたいと思っていました。なので、この展示のお知らせをいただいて、すぐにとんでいきました。
海の中は浅いところは、太陽光に近いので明るいけれど、深くもぐれば、光があまりとどかなくなり、色が薄くなっていきます。まず見えなくなるのが赤い色。(これでも昔はダイバーのはしくれでした。)いわば、モノクロの世界に近くなっていくような気がします。
カラーの海の中の写真もきれいですが、モノクロだけにより、海のおくゆきとかゆったりした時の流れとかを感じ、しばらくそこにたたずんでしまいました。
池本さんは、カラーとモノクロのフイルムを入れたカメラを2台さげて、海に潜るそうです。どのように使いわけるのかは、おそらく彼女だけがもつ感性なのでしょう。
海の好きな方、モノクロ写真が好きなかたにはお勧めです。「海の中の大きな時間の流れ」は明日(10日)まで。
蜉蝣峠(かげろうとうげ)
今年に入ってから、いつも以上に演劇三昧。時間もお金も足りなくなるので、月3回までと心に誓っています。
先日も「蜉蝣峠」に行ってきました。古田新太・堤伸一・高岡早紀出演、宮藤官九郎脚本という話題の演劇。当然平日でも満員でした。
前半はおふざけと下ネタが多すぎ(ま、それがクドカンの特徴でもあるのだけれど)で、これで終わっちゃうのかと心配しましたが、後半は下駄をつかったたちまわりなど見ごたえがあってよかったです。とにかく、堤伸一さんかっこいい~。堤ファンには必見の演劇ではないでしょうか。
内容は重そうにみえて、そうでもなく、演出に助けられているかなという感じです。楽しめたのでとりあえず満足。
ところで、この演劇「赤坂Actシアター」でやっているのですが、この劇場、導線悪すぎ。去年オープンした新しい劇場なのに、席も少し狭いような・・・。それなのに、他の劇場の同等の演劇より料金高めです。
赤坂という立地、そうは面積がとれないのかもしれませんが、それにしてもなぁって感じで、こちらは満足できませんでした。



今週の展示は「01展~さよなら、わたしの10代~」。20歳を迎えて、自分の10代をふりかえって作品に表しているグループ展です。是非お越し下さい。3月31日まで
ご贔屓を傘に戴く
この前の休みに久々に歌舞伎に行ってきました。(しょっちゅういってるじゃんと言われそうですが)
今回一番楽しみだったのが、御年80歳の中村芝翫の「藤娘」。中村芝翫といえば、踊りの名手で知られた役者さんですが、なにしろ80歳、可愛らしさが見所の「藤娘」をどうやって舞うのだろうかという楽しみがある反面、やっぱり年にはかてないのかとがっかりするのではないかという不安とがいりまじっていました。が、そんな心配は無用でございましたよ。
「可愛らしい」というわけではないけれど、艶やかで、余計なものはすべてとりさってしまって無心で踊っているような、そんな気がしました。老境ならではの域というのでしょうか、いいものを見せてもらったなという感じでした。この日一番の演目だったことはいうまでもありません。
ところで、この「藤娘」に「ご贔屓(ひいき)を傘に戴く」という但書(?)がついていました。「傘」は「傘寿(80歳)」と藤娘の黒塗りの「傘」にかけているのでしょう。「いただく」も「頂く」ではなく「戴く」というのがいいですね。80歳の今日まで演じ、踊り続けた役者さんにぴったりの、なんて粋な言葉。くぅ~たまりません。だから歌舞伎が好きなんです。



今週の展示は「Post Card ~サウダージの研究~」主にブラジルの旅で見聞きしたもの感じたものを写真と文であらわした展示です。「サウダージ」を感じに是非お越し下さい。3日間だけの展示です。27日迄。
野田歌舞伎
野田秀樹演出の歌舞伎「愛陀姫」が、歌舞伎座で上演されています。「愛陀姫」とはオペラの「アイーダ」を題材にした歌舞伎の新作で、野田歌舞伎の3作目ということで、楽しみに観に行ってきました。
1作目の「研辰の討たれ」、2作目の「ねずみ小僧」がとてもよかったので、期待も大きかったわけですが、ちょっと残念な結果でした。
オペラを題材にするのは無理があったのか、歌舞伎というよりは演劇、科白も歌舞伎らしさがなく、大向こうの「中村屋ぁ」という声にもしっくりきません。歌舞伎色の少ない斬新な試みとみることもできなくはありませんが、だったら歌舞伎にする必要ないんじゃないかというほうが私の中では勝っていて、期待が大きかった分がっかりでした。
今まで観た、野田歌舞伎や串田和美演出の「コクーン歌舞伎」や蜷川幸雄の「十二夜」など、新劇の演出家の歌舞伎が斬新で、わかりやすく、面白かったので、これからの歌舞伎は古典だけではなくて、こういうのもどんどんやってほしいと思っていたのですが、どんな題材でもOKというわけではないようです。
それでも新しいものに挑戦してほしい、1作目、2作目があんなによかったのだからと恐れ多くも思ってしまいました。4作目野田歌舞伎に期待します。



今週のは「OCTA」、武蔵野美術大学2年生8人の展示です。イラスト・映像・立体・絵本と多彩な展示です。8月26日迄。
大向こう
演劇に「大向こう」という言葉があります。これは劇場後方正面の立見席のことや、そこで観る演劇通の人のことをさします。転じて、歌舞伎で屋号「成田屋!」とか「音羽屋!」とか声をかける人のことを「大向こう」とか「大向こうさん」と言います。
誰でも「大向こうさん」になれますが、タイミングがずれたり、1階席からかけたり、女性がかけたりするのはいけないとされています。そして、若い人の声よりは年配の人の声のほうがしっくりきます。
先日、渋谷のシアターコクーンに「コクーン歌舞伎」を観にいきました。席は最後列の通路側でしたが、隣に補助椅子がでていて、シアターコクーンのバッチをつけた年配の男性が座っていました。私に「横で声をかけますから」とわざわざ断ってくださったので、大向こうさんだと思い「わかりました」と答えたら、そのあともえんえんと、コクーンに頼まれて声をかけるとか、役者さんにも許可をもらっているから云々と説明してくださる。「何故?」と思いましたが、シアターコクーンは普段は新劇でつかっているので、コクーンのお客さんは「声をかける演劇」を知らない人が多いのだと気づきました。
その男性、頼まれて来ているだけのことはあって、タイミングもぴったり、そしていい声です。う~んやっぱり歌舞伎は声がかからないとね。とあらためて思いました。
「大向こうをうならせる」(プロがみても感心する演技の意)などともいい、「大向こう」とはしゃれた言葉です。言葉も人も大切な日本の伝統、ずっと残していってほしいものだと思います。



今週の展示は上智大学写真部学外展「re:born2008」です。4月入学の1年生の作品を含むフレッシュな写真を是非ご覧下さい。6月17日まで。
アフタースクール
先週は、今週予定していた「第肆回 板津綾二展 」が急遽延期になったり、「だったら、今の展示『-COLOURS- "ITTEKI"』を延長したい」という作家のナガサワカズミさんからのありがたい申し出があったりして、WEBの訂正やら訂正依頼やらでおおわらわでした。
どうやら落ち着いたので、昨日の休みに映画「アフタースクール」を観にいってきました。ささいなシーンがあとで重要な意味をもったり、小道具がきいていたりで、2時間弱があっというまに過ぎていき、とてもおもしろかったです。内容は少しでも書いてしまうとネタばれになってしまうので書けませんが・・・。
主演のひとりの堺雅人、この人を始めてみたのは大河ドラマの「新撰組」の山南敬助役でしたが、その後、演劇で「喪服の似合うエレクトラ」の繊細な弟役をみました。そして今の大河ドラマ「篤姫」で、毎回楽しみにしているうつけのふりをしている13代将軍家定の役、そして「アフタースクール」、これがみんな違う感じの役柄、見事に演じ分けています。何かでインタビューされているのを見ましたが、けっこうちゃらちゃらした感じ(失礼)で、これまたどの役の雰囲気とも違いました。こういう人を役者っていうんだろうなと感じさせる役者さんです。
「アフタースクール」は観に行ったあとで、「あれはこうだよね~」というように誰かと話したくなる映画です。同じことを感じたひと、この指と~まれ。


今週は先週からの続きで「COLOURS- "ITTEKI"」。キツネの子は男の子もいます。是非会いに来てください。6月10日迄。