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ホスピス

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9月のある日、とある病院付属のホスピスにお見舞いに行ってきました。いうまでもなくホスピスとは、癌の末期で告知を受けた、癌と死を受け入れた患者さんしかはいれない、緩和治療のみの病院です。

そのホスピスは、病院の裏手の、一見入口がどこかわからないような静かな場所にひっそりと建っていました。ドアを開けると右の壁にマリア像が、さらに奥のドアを開けるとナースステーションがあり、そこでお見舞いにきた患者さんの名前を告げて、待つこと10分ほど。この中に流れている時間と空気は穏やかにゆっくりと流れていて、今までに味わったことのない雰囲気の場所のように思えました。

病室から見える手入れの行き届いた中庭には、車椅子の患者さんと介助の人が散歩し、その風景はまるで切り取った絵のよう。もし天国というものがあるとしたらこういうところかも知れないと思うほどでした。

死と隣り合わせでいる患者さんたちがこんなにも穏やかでいられるのに、静かな驚きをおぼえました。そしてこれが宗教の力なのかもしれないと肌で感じたような気がしました。知り合いに親御さんをホスピスで看取った後に、キリスト教に改宗した人がいますが、さもありなんです。

貴重な体験をしたと思います。
病院のドアを開け外にでると、そこはいつもの空気と時間が流れていました。


あとは知らないあとは知らない
今週の展示は南阿沙美写真展「あとは知らない」。時に鋭く、時に穏やかな作家の視点をお楽しみ下さい。アサヒカメラ10月号にも紹介された展示です。9月26日迄。

(2006年09月22日)

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